この記事では独学でプロになったデザイナーがプロになる勉強法について解説していきます。
- 独学でプロのデザイナーってなれるの?
- デザインって何を勉強すればいいの?
- 自力でプロのデザイナーになる方法は?
そんな方にプロのデザイナーになるための独学について説明していきます。
目次
自力でプロになる独学のデザイン勉強法
独学でデザインの勉強をするには、
美大生が学習するカリキュラム
- 創造的プロセスと思考の型
- 視覚的伝達の基礎:記号(言語)論の基礎
- デザイン制作のツールや進め方(ソフトウェアの使い方など)
- タイポグラフィ基礎(書体選びからレイアウトまで)
- 動的な表現(アニメーションや画像編集)
- メディアの使い方(クロスプラットフォーム・デザイン)
- 立体的なデザイン(パッケージ・環境・イベントデザインなど)
- インタラクションデザイン、スペキュラティブデザインなど。
- ブランディング
上記は美大の実際のカリキュラムの一部です。
読むのもめんどくさいと思うので、
僕がかんたんバージョンを作っておきました。
カリキュラム簡単バージョン
- デッサン
- パース
- デザインの基礎
- 色彩
- 書体
- レイアウトの組み方
- デザインソフトの使い方
- ポートフォリオ
これからそれぞれの勉強法について解説していきます。
デッサン
まずは基本のデッサンです。
今のデザイナーはパソコンで全部できるんじゃないの?
と思うかもしれませんが、デッサン力は必要です。
例えば、立体表現をする時に影の付け方や表現方法を理解していなければ
デザインソフトで立体を描くことはできません。
打ち合わせで手描きイメージを伝えたい時に全く描けないなら業務に支障がおきます。
そして何よりデッサンは目を鍛えるのに必要です。
美大受験にデッサンが必須な理由はデッサンが重要だからです。
いいものを見分ける目がないと良いデザインはできません。
デッサンに関してはたくさんの良書が販売されているので、
勉強しながら毎日デッサンしてください。
僕もデッサンは本を通して学んだことが多いです。
デッサンにおすすめの本は、イチバン親切なデッサンの教科書です。
イチバン親切なデッサンの教科書
イチバン親切なデッサンの教科書はebook japanで会員登録をすると500円OFFで購入できます。
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上記以外にもデッサンにおすすめの本は別記事でまとめています→【2022年最新版!デッサンにおすすめの本】 初心者が読むべき本は?
パース
パースは日本語にすると遠近法です。
絵を描く際に必要な技術で、デザインでもパース図といって
立体的な図形を描く時に使われます。
パースが理解できていないと遠近感を表現できないので
グラフィックやプロダクトデザイナーには特に重要です。
パースは絵にらしさを出すための技術です。
デザインの現場では
それとなく立体に見える技術は必要になってきます。
パースに関しても本である程度学べるので、パースが学べる本を読んだことがない方は読んでみるといいでしょう。
おすすめは建物&街角スケッチパースです。
建物&街角スケッチパース
デザインの基礎
デザインの基礎を学ぶにも本はおすすめです。
デザインの4原則〜デザインの作り方まで
今からデザインをはじめるための本はたくさん出版されています⬇︎
ただデザインの基本を本で学ぶことはできても
デザインを習得するのは難しい。
バランス感覚やデザインのルールが身についていることを
自分で確認するのは難しいからです。
プロはミリ単位でバランスを考えます。
大げさではなくミリ単位でデザインの印象は変わってきます。
素人のうちは何が違うのか分からないのですが、
デザインをすればするほど感覚は研ぎ澄まされてきます。
デザインの本には
- バランスを揃えなさい
- 情報は固めましょう
と書いていますが、本だけでこの感覚を身につけるのは不可能に近いです。
実際私も相当独学で勉強したので分かったつもりで入社しましたが、
プロの感覚はここまで凄いのかと驚きました。
プロになると自分の作ったデザインに対してフィードバック(反応)がもらえます。
クライアントからの修正もそうですが、社内でもチェックが入ります。
そうやって自分のダメなところを指摘されて、
感覚をちょっとずつ研ぎ澄ませていくのです。
はじめの頃は先輩の言ってることが分かりませんでした。
だけど徐々に分かってくるようになってきます。
本を読んだだけですべてが理解できる人はいません。
どうしても実践でしか分からないことがあります。
ただ基礎を覚えておくだけでも、デザイン力は伸びるのでデザインの基本の本は読んでおくといいでしょう。
おすすめの本は、なるほどデザインです。
なるほどデザイン
色彩
色の勉強は難しいです。
僕も昔は色が苦手だったので色彩検定を取得しました。
それで知識としては色のことを理解出来たのですが、
実践でどうしても活かすことが出来ませんでした。
デザインは、
レイアウトが悪ければ色をいくら考えてもダメな時もあります。
逆に色を入れるまでは良い感じだったのに、
色を入れたら悪くなった。
といったこともおきます。
ちなみに色だけでデザインすることもできます。
トイレに行く時に『アオは男』で『アカが女』と直感でわかるように
色だけで人に情報を伝えることもできます。
色は重要ですが、習得するのに時間がかかります。だから
色は最後に学ぶのがいいと思います。
色の勉強法は、色彩検定がおすすめです。
資格は目標を持って勉強できるので
モチベーションを保つことができます。
色彩に関してのおすすめ本は要点で学ぶ、色と形の法則150です。
要点で学ぶ、色と形の法則150
書体
書体とは文字のスタイルのことです。
明朝体やゴシック体って聞いたことがないでしょうか?
明朝体やゴシック体は書体の名前です。
書体を学ぶ理由はデザイン業界では書体の知識を知っていることが当たり前だからです。
例えば、打ち合わせで
ここの文字は明朝系でいきましょうか
と言われてデザイナーが理解できなければ、いちいち書体の説明をしなければいけません。
書体も理解していないデザイナーは信頼されないでしょう。
書体に関しては、ほんとに、フォント。の本がおすすめです。
ほんとに、フォント。
ちなみによく同じに思われるのですが
書体とフォントは違います。
フォントは1つの書体の中で作られる文字のことです。
例えば現場でよく使われる会話は
書体はゴシックがいいので、ヒラギノフォントを使ってください。
といった感じです。違いはわかりましたか?
レイアウトの組み方
デザインのレイアウトの役割は重要です。
「デザインの9割はレイアウトだ」とかいう人もいます。
僕はそこまでは思いませんが、レイアウトはデザインの大枠をしめるのは確かです。
レイアウトとはかんたんに言えば配列です。
- 何を
- どこに
- どのように配置するか
でデザインは大きく変わります。
極端にいえば
デザインは何を目立たせるか
だけです。けれどこれが奥深くてデザインのルールを知らないと
目立たせたいものを目立たせることができません。
そしてデザインを目立たせる際に
必要な技術の1つがレイアウトです。
レイアウトに関してレイアウト・デザインの教科書がおすすめです。
レイアウト・デザインの教科書
レイアウトも習得することは難しいです。
僕は実践で身につけていきました。
本を読むことでレイアウトの知識を身につけることはできます。
ですが感覚を身につけることがとても難しい。
僕は独学では、
- レイアウト
- 色の感覚
- バランス感覚
はプロレベルまで身に付けることができませんでした。
当時の自分は身につけたと思ってましたが、
プロになってから自分は全然ダメだったんだと気づきました。
レイアウトは実践で成長していくものだと思います。
デザインソフトの使い方
デザイナーが使うデザインソフトは
IllustratorとPhotoshopです。
このふたつのソフトはどんなデザイナーでも使います。
そしてIllustratorとPhotoshopは
1週間の無料体験ができます。
まだ使ったことがない方は試してみるといいでしょう。
Illustrator
Photoshop
デザインソフトは使っていけば慣れてくるので、安心してください。
ちなみにデザイナーはIllustratorとPhotoshop以外にも
職種によって使うデザインソフトが違います。
デザイナーの職種別に必要なソフトの記事をまとめています⬇︎
ポートフォリオ
デザイナーの面接で一番重要なものがポートフォリオです。
履歴書や職務経歴書はデザイナーの面接でも使いますが、一番のメインはポートフォリオです。
デザイナーはポートフォリオで採用かどうか決まります。
ポートフォリオとは
作品集に自分のPRを足したものと認識すればOKです。
『そうか作品集ね。』と軽く思うかも知れませんが、学生の中には
ポートフォリオに3年間かける人もいます。
なんせポートフォリオさえよければ採用される可能性が高くなるのですから、
みんな必死でクオリティをあげます。
学校やデザインスクールでは
先生がポートフォリオの添削やアドバイスを行ってくれます。
さらに美大や企業と繋がりのある学校では企業の人事担当に直接アドバイスをもらう場合もあります。
ポートフォリオの作り方に関しては別記事に詳しくまとめています⬇︎
さてここまで一通りデザインの独学方法を解説してきましたが、すベて基礎です。
他にも
- 造形
- ブランディング
- バランス力
など勉強することだらけです。
独学は自分で勉強する内容を決めいないといけないので大変です。
美大を卒業したデザイナーはこういったことを高校生の頃からすでにはじめています。
そして何年間も学んでデザイナーの就職面接に挑むのです。
美大は並の学生とは厳しさが違います。
受験前はノイローゼになって倒れる学生もいます。
地元ではアートの天才だった学生が、美大にくれば人並みだった事実を知ってショックを受ける
なんてことが当たり前にある世界です。
そんな人たちに独学で勝つことは難しいでしょう。
だからこそ独学で勉強をはじめる前に
本当に独学で学ぶのが正しいのかを一度考えてみてください。
独学で勉強する理由
独学で勉強する理由はなんでしょうか?
- 学校はお金がかかる
- 学校に通う時間がない
- もう学生じゃないから学校にいけない
こんな所でしょうか?
学校はお金がかかる
確かに国立を除いて美大はものすごくお金がかかります。
ですが国は補助金を出してでもクリエイターを育てたいのです。
そして国の制度に無知な人は本当に多い。
お金がなければ奨学金を使えばいいのです。
奨学金が借りれない場合でも、教育給付金を利用すれば
月額7,200円〜通えるようなデザインスクールもあるのです。
\詳しくはこちら/
教育給付金解説ページ
美大じゃなくてスクールでしょ。そんなので就職できるの?
と思うかもしれませんが、独学だけで学ぶよりもはるかに効率はいいです。
事実デザインスクールの就職率は90%以上のスクールが多いです。
興味があるなら自分で資料を取り寄せてみてください。
実績や歴史のあるスクールはこんなにすごいのかとよく分かります。
デジハリ・オンライン
学校に通う時間がない
僕がデザインを学んだ時代と違って
今はオンラインでデザインを学ぶことができます。
インターネットアカデミー
例えば仕事が忙しくて学校に通う時間がない場合
- オンラインのデザインスクール
- 夜間や週末の専門学校
などの選択肢があります。
youtubeやブログで勉強すれば無料で勉強できるじゃん
と思われるかもしれませんが、学校の利点は学習する内容がカリキュラムされている所です。
youtubeやブログ、オンライン講座は独学と同じです。
独学の場合は自分で教材を見つけないといけません。
自分で学ぶべきことを調べて教材を見つけるのは時間がかかります。
無駄な時間は極力削ぎ落としてデザインの勉強に当てる方が良いでしょう。
オンラインのデザインスクールってどんなとこがあるの?
って人のためにおすすめのオンラインのデザインスクールをまとめてます⬇︎
もう学生じゃないから学校にいけない
社会人のためにも門戸を開いてくれているデザイン学校は多いです。
夜間や週末の学校に通うのもいいでしょう。
働きながらデザインを学ぶ人は多いです
スタディサプリ進路というサイトをご存知でしょうか?
このサイトでは夜間や週末の学校を検索することができます
自分にあった学校を検索して見つければ社会人でも本格的なデザインの勉強を学ぶチャンスがあります。
地域や職種に絞って学校を検索するもことができます。
さらに学校からパンフレットを取り寄せるだけで図書券をもらえます。
参考書の足しにもできるのでオススメです。
スタディサプリ進路
ここまで紹介したことは独学でデザインをはじめた時に
僕が考えていた学校に通わなかった理由でした。
当時は情報も少なくまともな判断ができませんでした。
もっとしっかり考えていれば、あんなに苦労することはなかったかもしれません。
デザイナーに独学は必要です。ほとんどのデザイナーは
学校を卒業したあとも多くのことを独学で学びます。
学校で勉強するのは数年で卒業後はみんな独学です。
ただ独学だけでデザイナーを目指すのは
地図を持たずに目的地を目指すようなものです。
私はたまたまブラック企業のデザイン事務所のグラフィックデザイナーになれましたが、
今考えると独学だけでプロを目指そうというのは無謀だったと思います。
独学だけでもプロのデザイナーになれるの?
独学だけでもプロのデザイナーになれるの?
といった質問をよくされます。ここまで話してきたように
独学でプロのデザイナーにはなれる可能性はあります。
ただ確率は低いです。できれば
美大に進学して基礎を身につけるべきです。
大半のデザイナーは美大や専門学校を卒業してデザイナーになるケースが多いです。
これは学校に通うことで基礎を学び実力が身につくことで
プロのデザイナーになれる確率が高くなるからです。
学校には色々メリットがあります。
- 企業とのコネがある
- 就職のコツを学べる
- 効率の良い学習法が確率されている
他にも色々メリットがありますが、
学校に関して知りたければ、他の記事でもっと詳しく書いています⬇︎
もし独学でプロのデザイナーになれたとしても
いい会社に就職できる確率は低いです。
そして独学からプロのデザイナーになれた人でも、
かなりの時間をかけて勉強した上に物凄い数の面接に落ちている人が多いです。
デザイナーは実績重視
例えば僕の知っているデザイナーで
80回面接に落ちたあとにプロになった人がいます。
その人が次の会社にデザイナーとして転職する時には
たった1回の面接では採用されました。
つまりデザイナーは実績が重要だということです。
独学でいくら頑張っても、はじめの会社になかなか就職できません。
みんな就職するために学校に通って実力をつけるのです。
独学デザイナーの武器はポートフォリオ
独学のデザイナーが頼りにできるのは基本的にポートフォリオ(作品集)だけです。
ポートフォリオだけで面接を突破しなければいけません。
僕自身も数えきれないほど面接に落ちています。
3年かけて面接を受け続けましたが、面接では作品に関して辛辣なことも言われるし、
面接官によっては諦めた方がいいとアドバイスされたりもします。
だからこそ独学の場合は覚悟をもって勉強しなければいけませんが、そうやってメンタルがボロボロになる前に
普通に学校に通えばよかったと後悔しました。
今からデザインの勉強をはじめようと考えてる人は独学のメリット・デメリットを考えて決断してください。
自力でプロになる独学のデザイン勉強法まとめ
ここまでデザイナーの独学について紹介してきました。
この記事では就職までゴールですが、
デザイナーはプロになってからが本番です。
独学でプロになったデザイナーは他のデザイナーに比べて勉強が足りません。
仕事でも知識やセンスがなくて困ることが多いです。
だから睡眠時間を削ってでも仕事終わりに勉強して、
学校で勉強しなかったツケを回収します。
独学のデザイナーはプロになってから苦労します。
まぁ美大生も学生の時に苦労しているので苦労するのは同じですが、どうせ苦労するなら
学校できちんと学びたかったと思いました。
僕は自分の過去の反省も込めてこの記事を書きました。活用していただけると幸いです。
✔︎この記事のまとめ
- 独学で学ぶ→美大と同じカリキュラムを学ぶ
- デザインソフト→デザイナー別の必要なデザインソフトの記事
- 独学より美大がおすすめ→美大が重要なことがわかる記事
✔︎関連記事はこちら
美大で学ぶことと同じ内容を勉強すればいいのです。