
- デザイン料の計算ってどうやるの?
- デザインの見積書の書き方がわからない…
- 見積書のテンプレートをダウンロードしたい!
そんな方に『おすすめの見積書の作り方』や『正しいデザイン料金の計算方法』についてプロのグラフィックデザイナーが解説していきます。
目次
フリーランスデザイナーにおすすめの見積書の作り方
フリーランスのデザイナーにとって見積書は、とても重要なものです。
デザイナーになったばかりの人は『見積書に書くべきこと』や『デザイン費用の出し方』が分からないと思います。
まずは見積書作成におすすめの『会計ソフト』や『見積書作成ツール』を紹介していきます。
ツールを使えば、見積書に書くべき項目が用意されているので、初心者でも間違った見積書を作らなくてすみます。
私も利用しているおすすめのサービスは、『Money Forward クラウド 確定申告』です。
・Money Forward クラウド

利用料:980円〜
\1ヶ月の無料体験ができる/
Money Forward クラウド 確定申告の無料体験はこちら
Money Forward クラウドは会計ソフトです。個人の場合は『Money Forward クラウド確定申告』を利用するといいでしょう。
会計はもちろんのこと見積書作成にもかなり便利なソフトで、フォーマットに記入していくだけで簡単に見積書を作成できます。
見積書はPDFにしてメールで送ったり、書類にして送付するサービスもあります。
見積書を作成すれば帳簿にも自動で記入されるので、売上台帳を自動で作ることができます。
フリーランスになって1年目は売上がそれほど上がらない人が多いでしょう。
確定申告も自分でやる方が多いと思いますが、Money Forward クラウドを利用すれば面倒な作業の大部分を自動化することができます。
Money Forward クラウドでは、どのように見積書を作成していくのかを解説していくので参考にしてください。
Money Forward クラウドで見積書を作る手順

⑴Money Forward クラウドにログイン後、『他サービス→クラウド請求書』

⑵左のメニューから見積書をクリック

⑶見積書を作成をクリック

⑷見積書の各項目を埋めていく

⑸完成した見積書は、保存したり、メールで送ったりできます。
Money Forward クラウドでは、上記のように簡単に見積書が作成できて売上データにも反映してくれます。
私も初めはデザイナーだからと自分で見積書を作っていたのですが、Money Forward クラウドに変えてから見積書の作成や管理が、ほぼ自動でできるので何でもっと早く導入しなかったんだろうと後悔しました。
無料体験もできるので、ぜひ一度体験してみてください。
無料で見積書を作成したい
『まだ仕事が軌道に乗ってないから、無料で見積書を作りたい…』
そんな人には『無料の見積書テンプレート』や『無料で使える見積書作成サービス』がおすすめです。
無料の見積書テンプレートを使いたい
Money Forward クラウドでは、無料の見積書テンプレートをダウンロードできます。
使いやすいフォーマットでおすすめです。
Money Forwardの見積書テンプレート

無料で使える見積書作成サービスってあるの?
フリーランスがよく使っているMISOCAという見積書作成サービスがおすすめです。
MISOCA

MISOCAには無料プランがあるのですが、無料でも充分な機能をもっています。
見積書を無制限に作成できて、取引先も登録できます。
無料で見積書を管理・作成したい人におすすめのソフトなので、ぜひ一度試してみてください。
デザイナーの見積書の書き方
ここからは見積書の書き方について解説していきます。
デザイン事務所で教えてもらった見積もりを書くコツも紹介していくので、デザインの見積りを書く方法がわからない方はぜひ参考にしてください。
デザイナーの見積書で大事なことは、見る人が『何に費用がかかってるのか、パッと見て理解できる』ことです。
例えば、見積りをデザイン費だけで一括請求する人がいます。

上記のようにデザイン費一括請求では、一体何に費用がかかっているのか理解できないので、クライアントに不信感が生まれてしまいます。
ですので、デザインの見積もりを出す際は極力細かな数字を書くのがおすすめです。

上記は実際にクライアントに提出したデザインの見積書です。
このクライアントさんとは付き合いが長いので、ざっくりと書いている方ですが。。。
それでもデザイン費だけの見積書よりは、金額が具体的になって分かりやすいと思います。
ちなみにデザイン事務所で働いていた時は、修正の回数やキャッチコピーの費用など、もっと細かく記入していました。
デザイン料の計算方法を知りたい
デザイン料の計算方法は人それぞれですが、重要なことはデザインには相場がないことです。
人やプロジェクトによって、デザイン料は大きく変わるからです。
デザイナーは自分の価値をしっかり見極めて、正しい価格で見積もりを出す必要があります。
ここからはデザイン料の計算方法について解説していきます。
デザイン料はあらかじめ提示しない
デザイン料を先に提示して仕事を募集するデザイナーもいますが、個人的にはあまり正しい手法とは思えません。
クラウドソーシングサイトのように価格の提示が必須の場合は仕方ないですが、デザイン料を提示して仕事を募集するとクライアントは自然と金額で「商品を買う」意識を持ってしまいます。
しかしデザインは『金額ではなく価値で選ぶ商品』です。

デザイン料は、デザイナーの経験やスキル・プロジェクトによっても大きく変わるので、一定の金額を提示する方法では正しい金額を請求できません。
あらかじめ決めた料金で請け負って、金額を強みに契約を取り付けても結局デザイナーが大損するだけなのでやめた方がいいでしょう。
デザイン料を計算するための項目
デザイン料を計算する時に重要なことは以下の6つです。
- デザイナーの実力
- プロジェクトの規模
- スケジュール
- オプション
- 抱えている仕事の量
- 景気
上記をしっかり考慮してデザイン料を計算する必要があります。
❶デザイナーの実力
デザイナーは自身の教育や実績を考慮して自分の価値を自分で決めないといけません。
1年目と20年目のデザイナーが同じ価格だとおかしいでしょう。
❷プロジェクトの規模
仕事をする企業の規模によっても金額は変わります。
例えばロゴデザインが分かりやすい例ですが、大手企業のロゴデザイン費は数千万円といった金額もあります。
それに比べて、個人店のロゴは数万円からでもあります。
この差は何かというと、大手のロゴデザインを作成する時には、歴史を調べることから始まり個人店に比べると作業が膨大だからです。
世界で活躍するような企業なら、いろいろな人がロゴを使用することが考えられるので、ロゴのガイドラインも作らないといけません↓

それに比べて個人店なら、ロゴを使うのはオーナーだけの可能性が高いので、ロゴのガイドラインを作る必要もなければ会社の歴史を調べる必要もないので、作業量が少なくて済むのです。
❸スケジュール
納品まで日にちが無い仕事は割り増し料金を請求する必要があります。
急ぎの仕事では厳しい条件下で仕事をしないといけません。
他の仕事のスケジュールを調整することもあるでしょう。
割り増し率は急ぎの度合いによっても変わりますが、大体20%〜50%が目安です。
個人的には、よく依頼してくれるクライアントには10%で受けることもあります。
❹オプション
デザイナーは、専門外の仕事を依頼されることもあります。
例えば、オリジナルイラストを作りたいと言われた時に知り合いのイラストレーターにその仕事を振って仲介手数料をもらえるように交渉するといいでしょう。
イラストは専門じゃないと断ってしまうよりは、クライアントにイラストレーターを紹介する方がお互いに有益です。
❺抱えている仕事の量
実力がついてきてクライアントが増えると、キャパオーバーするタイミングがあります。
その時が来たらデザイン料金を上げるといいでしょう。
仕事を無理して引き受けるなら上乗せ料金を請求するのが妥当です。
それで離れてしまうクライアントとは、別れるしかありません。
フリーランスでやっていくには、そうやって自分の価値を上げていく必要があります。
❻景気
世の中が不景気になるとデザインの依頼はグッと減ってしまいます。
そういった時は値下げで対応するのではなく、『新しいクライアントを探したり』『WEBサイトやポートフォリオに力を入れる』といいでしょう。
しっかり自分の価値を発信して、景気がよくなった時に備えましょう。
デザイン料の時給計算はおすすめしない
デザイン料金を時給で計算することは、個人的におすすめしません。
デザイン業界全体でも時給計算している会社は少ないです。
これはなぜかと言うとデザインは一石二鳥で身に付く技術ではないので、単純作業のアルバイトのように時給計算するのに向いていないからです。
多くのデザイナーは何千万円もかけて学校に通い何年もかけてデザインのスキルを磨きます。
だからこそ、今の速度で仕事ができるようになっています。
それを時給で換算することは難しいでしょう。
ポーラシェアの有名な言葉
『デザイン案を描く時間は、ほんの数秒です。でもをそれを数秒で描く力を身に付けるには34年かかりました。』
この言葉がデザイン料を時給で計算しない方がいい理由を的確に表していると思います。
デザイン料の請求の注意点
デザインの世界では、デザイン料の支払いを拒むクライアントが一定数います。
デザインの価値をしっかり理解できるクライアントならいいのですが、デザイン教養のあるクライアントばかりではありません。
はじめてのクライアントからは、手付金を受け取るのがおすすめ
『どうしてデザインにお金がかかるのか、好きでやってるのだから無料でいいじゃないか』という考えを持っている方も少なからずいます。
はじめて仕事をするクライアントからは手付金を受け取るのがいいでしょう。
手付金を受け取ることで取りっぱぐれのリスクも無くなりますし、クライアント側も手付金を無駄にしたくないという気持ちでデザインに熱が入ります。
手付金の利率は?
手付金の利率は30%〜50%くらいが目安です。
利率については、クライアントと相談するといいでしょう。
まだ出来ていないものにお金を払うのはクライアントも不安になるでしょうから、お互いが納得できる利率に調整するのがベストです。
日本の大手企業は手付金を支払ってくれない
日本の構造上仕方ないのですが、特にグラフィックデザインで大手の仕事は広告代理店を通してフリーランスに降りてくるのが一般的です。
ですので基本的に大手の仕事の場合フリーのデザイナーは下請けとして働くことになるでしょう。
そうなると手付金の交渉はかなり難しくなります。
ただそういった大手の仕事では先に契約書を書くことになるので、デザイン料を払ってもらえないということは起こらないと思います。
現に私は大手の仕事では、デザイン費の支払いで揉めた事は一度もありません。
フリーランスデザイナーにおすすめの見積書の作り方まとめ
この記事では『デザイナーの見積書の作り方』や『デザイン費用の計算方法』について解説してきました。
見積書の作成には、会計ソフトのMoney Forward クラウドや見積書作成ソフトのMISOCAがおすすめです。
デザイン費用の計算方法については、1冊本を読むといいでしょう。
私も過去に参考にした本があるので紹介しておきます。
ロゴをデザインするということ。

上記はロゴの本ですが、デザイン料の計算方法についても詳しく書かれています。
見積書の書き方はデザイン事務所などにデザイナーとして入社すると教えてもらえる可能性が高いです。
いきなりフリーランスになろうと考えている方は、まずはプロのデザイナーとして経験を積む方がいいでしょう。
現場でスキルと知識をしっかり身につけてから、フリーランスになるのが安全です。
今は在宅でも働ける会社が多いので、いきなりフリーランスを考えている方は1度求人の検索をしてみてはどうでしょうか?
この記事が少しでも見積書作成のお役にたてば幸いです。
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